お知らせ

11月の原発情報

 

国内最大の原子力研究機関「日本原子力研究開発機構」(茨城県東海村)は31日、組織として30年先の将来像を初めて明確化した活動理念「JAEA2050+」を発表した。2050年を目標に、原子力科学技術で気候変動問題に貢献することなどが柱。具体的には従来取り組んでいる次世代原子炉の研究開発なども進め、機構の年次計画や中長期計画に反映させる。研究テーマは6つ設定し、出力30万kW以下の小型モジュール炉(SMR)の研究開発などを盛り込んだ。(東京新聞11.1)


経産省は31日、台風15号による大規模停電を検証する有識者作業部会を開き、中間報告案を示した。鉄塔や電柱などの倒壊が相次いだことから、強度を含めた基準の見直しを検討する。中間報告案は倒壊すれば数万戸に影響する鉄塔の基準を優先的に検討するよう要請した。電柱は効果が高いとみられる地域で地中化を推進するなど、効果的な設備投資で送配電網の強靱化をめざす。倒木が被害を拡大したことから、電力会社と自治体などが協力し、樹木を計画的に伐採する。現場確認のために、復旧要員を初動から最大限投入することが重要だと指摘した。(東京11.1)


・韓国軍合同参謀本部によると、北朝鮮は31日午後4時35分ごろ、中西部平安南道の順川から飛翔体2発を日本海に向けて発射した。10月2日以来で、今年に入って12度目。日本の防衛省は、日本の排他的経済水域(EEZ)には飛来していないと発表。飛翔体は弾道ミサイルとみている。(東京11.1)


国連総会第一委員会(軍縮)は1日、日本主導の核兵器廃絶決議案を148か国の賛成多数で採択した。12月の本会議であらためて採択される。賛成は昨年より12か国減り、米国など26か国が棄権、昨年と同じ中国とロシア、北朝鮮、シリアの4か国が反対した。一方、核兵器禁止条約の制定を歓迎し、未署名・未批准国に早期参加、推進を呼びかける決議案も賛成多数で可決されたが、日本は昨年に引き続き反対した。(東京11.2夕)


・安倍首相は4日午後(日本時間同)、シンガポールのリー・シェンロン首相と会談した。シンガポールが東電フクイチ事故を受けた福島県産食品の輸入を停止していることについて、リー首相は「輸出前検査を行うことを条件として撤廃する」と表明。両政府は今後、実施時期など詳細を詰める。外務省によると、原発事故を受けて、韓国、中国、香港、マカオ、シンガポールの6か国・地域が輸入停止を含む厳格な規制を実施している。(東京11.5)


廃止措置中の日本原子力研究開発機構の東海再処理施設(茨城県東海村)で高レベル放射性廃液のガラス固化が7月から3か月以上停止したままだ。計画では2028年度までに処理を終えるとしているが、計画に影響の恐れがあるという。機構は、7月8日から約2年ぶりにガラス固化を再開したばかりだった。計画では11月中旬までに50本のガラス固化体を製造する予定だった。8本目の製造途中、溶融炉の下に取り付けられているノズルからガラス固化体容器への流入が停止。このため同月29日、溶融炉の電源を停止した。機構は本年中に対策の方向性を示したいとしている。(赤旗11.5)


イランのロウハニ大統領は5日、中部フォルドゥにある地下原子力施設で、2015年の核合意に基づいて禁止されたウラン濃縮活動を再開すると発表した。国営テレビで演説したロウハニ大統領は6日から分離機を再稼働すると明らかにし、「石油禁輸制裁が解除されれば元に戻ることは可能だ」と述べた。核兵器製造に近づくウラン濃縮度20%への引き上げは見送った。(東京11.6)


イランのサレビ原子力長官は4日、中部ナタンズのウラン濃縮施設で会見し、高性能遠心分離機の最新型「IR9型」の試作機を設置したと発表した。核合意で定められた旧型の50倍の濃縮能力があると主張している。また、サレビ氏は、低濃縮ウランの保有量について濃縮度4.2%が500キロに達したとも明らかにした。核合意を順守していたときには1日当たり450グラムの生産能力だったが、現在は5キロに増強したという。(東京11.6)


・政府は6日、東日本大震災の復興期間が満了する2021年3月末となっている復興庁の設置期間を10年延長し、31年3月末とする方針を固めた。東電フクイチ事故対応の長期化が見込まれ、国が引き続き前面に立つ必要があると判断した。一方、地震・津波被災地に対する支援の継続期間は5年とする。年内に閣議決定する21年度以降の復興基本方針に盛り込み、20年の通常国会に関連法案を提出する。(東京11.7)


東電は6日、フクイチ1、2号機建屋そばに立つ排気筒の解体作業で、筒本体を支える鉄塔の切断作業を始めた。鉄塔を切るための傘形の解体装置が、筒本体の上部に初めて設置された。この後は、傘形の装置で鉄塔の斜材を8か所切り、いったん装置を地上に下ろし、支柱を決るための仕様に変える。再びつり上げて支柱4本を切り、続けて筒本体を輪切りにする。東電はこれらの作業を8日に終える予定。(東京11.7)


東電フクイチの事故収束作業について、保安検査を担う小林隆輔・フクイチ原子力規制事務所長は6日、規制委の会合で、基本的な確認もれなどのミスが続発している現状を報告し、東電社員の人手不足によって現場の状況把握が不十分になっている恐れを指摘した。更田委員長は東電幹部から意見を聞く考えを示した。東電によると、事故収束を担う廃炉推進カンパニーは社員数が約1350人で、このうち約1000人がフクイチに詰め、作業員約3500人を管理。今年10月には、規制委の検討会に、業務の円滑化をめざしたカンパニーの組織改編を申請し、議論されている。東電の広報担当者は今月5日の定例会見で、相次ぐミスについて「現場環境が改善し、緊張感の緩みが原因の一つだと思っている」と述べた。(東京11.7)


経産省は6日、今冬(2019年12月~20年2月)の電力供給の見通しを発表した。全国で安定供給に最低限必要とされる供給予備率の確保が可能と判断。節電要請は見送り、省エネの協力の呼びかけにとどめる。(東京11.7)


経産省企業が特定の地域で工場や家庭までの電力供給に参入できる新たな仕組みをつくる方針だ。太陽光や風力などの再生可能エネルギーの事業者を念頭に配電の免許制度を設け、地域で生み出す電力を工場や家庭に直接届ける。電力大手が独占してきた配電に、他業種から参入できる。再生エネの普及を促すとともに、災害時の停電リスクを分散する。経産省は8日に開く有識者会議で新たな仕組みの制度案を示す。10月末、台風による千葉県の長期停電を踏まえた対策案に「災害に強い分散型グリッドの推進」を明記しており、その具体策となる。電気事業法の改正を念頭に、制度の詳細を詰める。新たな仕組みでは免許を得る事業者が電線の維持・更新をする必要がある。この費用を賄うためには低コストでの発電と、電力以外のサービスも手掛けることで収益を得るようなビジネスモデル作りが課題となる。(日本経済新聞11.7)


世界の科学者らが「地球は気候危機に直面している」と宣言し、化石燃料から再生可能エネルギーへの転換などを提言した論文が、米科学専門誌「バイオサイエンス」(電子版)に5日付で掲載された。日本など153か国の計1万1000人以上が名を連ねている。(東京11.7夕)


廃炉が決まった日本原子力研究開発機構大洗研究所(茨城県大洗町)の材料試験炉(JMTR)について会計検査院が調べたところ、運転再開の見通しが立たない状況で米国とウランの購入契約を結び、燃料を製造していたことがわかった。燃料はJMTR固有の仕様でそのままでは他の原子炉に転用できず、検査院は約10億9000万円が無駄になったと指揮した。製造指示は、早期の運転再開をめざしていた製造担当部署だけの判断で行われていた。機構は燃料について「加工するなどして他の原子炉への活用を検討する」としている。(東京11.8夕)


・沸騰水型原子炉(BWR)を備える日本原子力発電(原電)東海第二原発が立地する茨城県東海村の山田村長が、雑誌の対談で「安定的な電力の供給は絶対に欠かせない。BWRについてもしっかりと再稼働していく必要がある」と、東海第二の再稼働を容認すると受け取れる発言をしていたことがわかった。山田氏は「東海第二の個別の話ではない」と否定するが、これまで「中立」として賛否を明らかにしていなかっただけに、波紋を広げそうだ。(東京11.9)


・台風19号などによる一連の水害で東電フクイチ事故の避難者のうち、少なくとも315世帯が避難先で浸水などの被害を受けたことがわかった。事故前に住んでいた各自治体の調査を共同通信が集計し「二重被災」の実態が判明した。一方、福島県や避難先の居住自治体は詳しい状況を把握できていない。事故から8年半あまりが過ぎ、生活再建に取り組む原発避難者は「また被災するなんて」と落胆している。原発避難者が水害に遭った自治体は、いわき市245世帯、郡山市30世帯、相馬市19世帯、本宮市8世帯、須賀川市4世帯など。(東京11.10)