お知らせ

11月の原発情報


東電ホールディングスは1日、自前では初めてとなる洋上風力発電事業の開始に向け、千葉県の銚子市や旭市などの沖合で海底の地盤調査を開始した。地盤調査は来年1月末まで。銚子、旭、匝瑳の3市と横芝光町それぞれの沖合10キロの海域で、多数の風車を一定区域に集中して建設する「ウインドファーム」に適した地質や形状かどうか調べる。これまで大手電力各社は、原発の再稼働を優先し再生可能エネルギー事業には消極的だった。東電の場合、再生エネによる発電電気量は0.03%と、中国電力、四国電力と並び最低水準である。(東京新聞11.2


九州電力2日、電力の需給バランスが崩れることによる大規模停電を回避するため、3日に再生可能エネルギーの出力制御を実施すると発表した。制御は直近で1021日に実施して以来で、5回目。これまでは太陽光事業者だけが対象だったが、今回は初めて風力発電も対象に含まれる。再生エネを最大55kW制御する。(東京11.3


・原発事故の賠償の仕組みを定めた原子力損害賠償法(原賠法)の改正案を議論してきた政府の専門部会が、事故が起きたときのために保険などで備える賠償措置額を現行の1200億円に据え置く内容の報告書をまとめた。フクイチ事故後に発生した賠償金はすでに8兆円を超えている。報告書を受けて、政府は措置額を現行のままとする原賠法改正案を2日に閣議決定。今国会に提出する。(東京11.3


北海道が最大震度7の地震に見舞われ、戦後初めての全域停電(ブラックアウト)を引き起こす4か月前、電力需給対策を検討する経産省資源エネルギー庁の専門委員会が開かれた。その会議の資料に次の記録がある。「発電所1機の計画外停止が与える影響が大きい北海道では、厳寒時の需給逼迫が国民の生命・安全に及ぼす影響が甚大である」。つまり、北海道電力の供給態勢は危うい。国の委員会は2012年以降、毎年同じような警鐘を鳴らしてきた。(東京11.4


・オフィスビルやホテル、商業施設など住宅をのぞく新築の中規模建物(延べ面積300平方メートル以上2000平方メートル未満)に、国交省が省エネ基準へ合わせるよう義務付ける方針を固めたことが3日、わかった。大規模建物(2000平方メートル以上)に限っている対象を拡大し、増加が続くエネルギー消費に歯止めをかける。義務化は2020年以降になる見通しだ。パリ協定に基づく温室効果ガス排出制限目標の達成につなげるのが狙いで、来年の通常国会に建築物省エネ法改正案を提出する。(東京11.4


・日本原子力研究開発機構は3日、機器整備などのため中断していた高速増殖原型炉もんじゅの使用済み核燃料取り出し作業を再開したと発表した。当初は1日に再開の予定だったが、トラブルへの対応などに時間がかかった。機構は冷却材の液体ナトリウムが付着した燃料出入機の洗浄などのため、1013日から燃料取り出し作業を中断した。(東京11.4


東電フクイチ事故で、自動車整備作業に従事していた福島県いわき市の猪狩さんが昨年10月、敷地内で倒れて死亡したのは、長時間労働による過労が原因として、いわき労働基準監督署が先月16日、労災認定したことがわかった。原発事故後、長時間労働による過労死認定は初とみられる。過酷環境下(整備士たちは全面マスクをかぶってポリエステル素材の下着を着け、防護服を着こんだ重装備。1日に56台の整備)で、早朝出勤などを強いられる作業員に対し、会社と原発間の移動時間も労働時間として認められた。使用者側の労務管理のあり方が問われそうだ。(東京11.4


トランプ米政権5日午前零時(日本時間同日午後2時)すぎ、イランの原油取引などを禁止する第二弾の経済制裁を発動する。トランプ米大統領が5月にイラン核合意から離脱表明したことを受けた措置。イランの生命線とされる石油輸出を遮断し、核・ミサイル開発や中東でのテロ組織支援をやめるよう圧力を強める構えだが、イランの反発を招いて両国の対立が激化するのは確実だ。(東京11.5


サウジアラビアのムハンマド皇太子が5日、研究用原子炉の開発に踏み切る計画を明らかにした。「研究用の低エネルギー原子炉」を建設するとしているが、時期や規模などは明らかにしていない。サウジは3月に決定した原子力エネルギー計画で、平和目的に限定した原子力利用を進めると定め、今後20年間で800億ドル(約8.4兆円)を投じて16基の原発を稼働させる。必要な技術導入を米国と交渉しているが、サウジはウラン濃縮禁止の受け入れを拒否しているとされ、米議会から慎重な声があがっている。サウジは国際原子力機関(IAEA)に査察権限を与える核拡散防止条約(NPT)の追加議定書も締結していない。(東京11.7


規制委7日の定例会合で、首都圏唯一の原発である日本原子力発電(原電)の東海第二原発について最長20年の運転延長を認めた。東電フクイチ事故後に40年超の運転が認められるのは4基目(高浜12号機、美浜3号機)。政府は原発事故を踏まえ、運転期間を原則40年に制限し、延長は「例外中の例外」のはずだったが、さらにルールの骨抜きが進んだ。しかし、東海第二が運転再開を見通せる状況にはない。新基準に沿う対策工事は20213月末までかかる。30キロ圏には全国の原発立地地域で最多の96万人が暮らし、各自治体の避難計画作りは難航している。再稼働には茨城県と30キロ圏の6市村から同意を得なければならず、那珂市長は再稼働反対を表明している。加えて運転禁止を求めた訴訟が水戸地裁で続く。原告団は、首都圏各地の裁判所に運転差し止めの仮処分申請も視野に入れており、司法判断次第では再稼働が絶たれる可能性もある。(東京11.8


東芝が今後5年間にグループで7000人規模の人員削減を計画していることが8日わかった。定年退職による自然減が中心で、一部は希望退職制度を活用する。経費を圧縮し、50歳以上の従業員が多い人員構成を適正化するのが狙い。こうした点を柱とする中期経営計画を同日公表した。米国の液化天然ガス(LNG)事業の撤退を決め、連結子会社の譲渡を20193月末に完了させることも発表。売却先の具体的な名前は明らかにしていない。英原発子会社は解散する。(東京11.8


1日に東電柏崎刈羽原発にあるトンネルでケーブルが焼ける火災があり、火元の情報が東電から消防に伝わらず、消防が火元を約1時間半にわたって探し、対応に遅れが出ていたことが8日、消防や東電への取材でわかった。火災は1日午前6時半ころに発生。放射線管理区域外にある地下のトンネルで、外部から7号機に電力を供給するケーブルが焼けた。東電の自衛消防隊も、火元の正確な情報を把握せずに活動していた。この火災で放射性物質の外部への漏えいはなく、けが人もなかった。(東京11.8


・国連総会第一委員会(軍縮)で1日に採択された日本の核廃絶決議をめぐり、米政府が採択前、核保有国に核軍縮を促す核拡散防止条約(NPT)第6条の明記に反対を表明、日米間に意見対立が生じていたことが8日、複数の外交筋の話でわかった。米国は決議が過去のNPT合意に言及した点にも難色を示し「合意は時代遅れだ」と指摘、最終的に棄権した。(東京11.9


自民党の「再生可能エネルギー普及拡大議員連盟」(会長・芝山文科相)の顧問に、甘利党選挙対策委員長8日、就任した。太陽光や風力発電などの再生エネ事業の急成長に伴い、議運メンバーも増え続け現在は100人近くに。原発を推進する安倍内閣で経産相を務めた甘利氏の顧問就任は、「原発一辺倒」から変わりつつある党の姿を象徴している。(東京11.9


・東電は8日、フクイチ2号機で、溶け落ちた核燃料を冷やす原子炉への注水を一時停止する試験を、来年3月に初めて実施すると発表した。事故から7年が経過して燃料の発熱は減少しており、注水を約7時間止めて温度上昇が実際に小さいか確かめる。現行の緊急時対応では、トラブルで注水が止まった場合、温度上昇は1時間あたり約5度で、約10時間で格納容器が80度になると想定している。だが東電は現在の状況を踏まえ、上昇は同約0.2度、80度に上がるまでは約12日と見込んでおり、これが実証されれば、対応の優先度の見直しにつながるという。一方、3号機の使用済み核燃料プールの燃料を搬出する装置に関しては、9月末開始の総点検で確認された不具合が計11件になったと発表した。(東京11.9


経産省8日、北海道で今冬(12月~来年3月)に節電を要請することを決めた。冬としては3年ぶりとなる。数値目標を設けず「無理のない範囲」で節電を呼びかける。残る9電力管内は見送る。(東京11.9


・日本原子力研究開発機構の高速増殖原型炉もんじゅのナトリウム漏えい監視カメラについて、原子力機構が不必要な点検、交換作業を発注していたことがわかった。会計検査院は発注額のうち、770万円を不当な支出だったと指摘した。(東京11.9夕)


米ゼネラル・エレクトリック(GE)のグループ会社などが参画する国内最大級の大規模太陽光発電所(メガソーラー)が完成し、岡山県瀬戸内市で9日、竣工式が開かれた。閉鎖された同市所有の塩田の跡地を活用し、約260haに約90万枚の太陽光パネルを設置。出力は約23kWで、発電した電力は中国電力に売り、約8万世帯分が供給される。今年2月から試験操業し、当初の計画よりも早い10月からすでに商業運転を始めている。(東京11.9夕)


・国連総会の第一委員会(軍縮)で今月1日、日本主導の核兵器廃絶決議25年連続で採択された。外相時代に決議を発案した河野洋平元衆院議長は本紙インタビューに応じ、核軍縮を前進させる決議内容とすべきだとの考えを示した。河野氏は「長年採択されていることは尊いことではない」として、25年続けて採択されたことに満足すべきでないと強調。より実効性のある決議に高めていくよう求めた。日本政府が、米国の「核の傘」(核抑止力)の必要性を強調していることについて、近隣外交が進展すれば「核の傘は必要なくなる」と指摘。「その努力はまだ足りない」と苦言を呈した。(東京11.10


・核廃絶を訴える科学者でつくるパグウォッシュ会議のマーク・スー評議員9日、東京都内の日本記者クラブで記者会見した。北朝鮮の非核化に向けた米朝交渉で米側が求める核関連施設などのリスト提示を、北朝鮮が拒否している理由について「施設や核兵器の場所を明かせば、軍事標的になるという疑念を持っている」と説明した。スー氏によると、北朝鮮はパグウォッシュ会議を重視しており、韓国人の同氏は、2001年から北朝鮮を訪問している。最近では9月に訪朝し、核関連リストを拒否する理由を北朝鮮側に聞いたという。スー氏は、米国が求めているリストには、北朝鮮が保有する核兵器数や保管場所、67か所ある核関連施設、核開発をしている科学者も含まれていると解説した。(東京11.10


・日本原子力発電東海第二原発の周辺6市村の首長と原電幹部の会合9日、東海村役場で開かれ、「事前了解」の解釈をめぐり議論が紛糾した。原電幹部が「(再稼働の)拒否権という言葉は新協定の中にはない」と発言。首長側は、原電に対し、発言の撤回と謝罪を求めた。(東京11.10夕)


・首都圏唯一の原発で、茨城県東海村に立地する日本原子力発電(原電)東海第二原発の再稼働の際、水戸市など周辺6市村の同意を必要とする協定の解釈をめぐり、原電幹部が「拒否権なんていう言葉はない」と発言したのに対し、6市村の首長が反発し謝罪と撤回を求めている。また、6市村で初めて再稼働反対を表明した那珂市の海野市長が引退を明らかにした。再稼働の是非は、次期市長があらためて判断する見通し。ただ、海野市長は、市の住民アンケートを基に再稼働反対を表明しており、次期市長も無視することはできないとみられる。(東京11.11